人材登用の歴史

人口減少社会に入って久しい我が国。
数が減る中で、一人ひとりがより活躍することが望まれる。
しかし政治の世界を始め、あらゆる分野で有能なリーダーの不在、人材の不在が続いている。
これを脱却するためには、日本社会の人材の登用のあり方を考えていく必要があるのではないか。

世界に目を向けると、古代ローマ帝国では、五賢帝と呼ばれる五代続けて有能な皇帝が国を治めた全盛期があった。
しかし五代続いたといっても、この五人の中に、世襲で皇帝を継いだ人は誰もいない。
有能な人材を跡取りに抜擢し、養子に入れたのだ。

我が国でも、封建制度の下の江戸時代でさえ、商人は、見込んだ番頭を婿として迎えて跡を継がせたり、また長子に相続させた場合も、経営の実権は実力ある番頭に握らせたりした。
厳しい競争の中で生き残り発展した組織はみな人材の登用の仕方を工夫し、各分野のリーダーを育ててきた。

失われた20年における、日本の政治の世襲化、質の劣化。そして、親の年収で子供の学歴まで決まってしまう日本社会の現状等、あらゆる分野で、機会の均等が失われてきている。
この国の未来を切り開くには、各分野で、人材の登用の仕方を変え、意志を持つ誰もが活躍できる社会を創っていかなければならない。

なお、皇室や伝統文化を守る家などにおいては、世襲制度は重要であり、残していかなければならないことを記しておく。

朝まで生テレビ

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