民権勢力の結集を

私の所属する結いの党は、維新の会と合併することとなった。
維新の会の非合併組は、次世代の党を設立。
みんなの党もどこに進むかで論争が起こっているようだ。
最大野党民主党も一枚岩ではない。
自民党が高支持率を保つ中、野党はぱっとせず、
今の国会は一強多弱と言われている。

好調な安倍政権に代わる考え方を提示する勢力、
安倍政権を正す勢力とは、何を軸に結集されるべきか。

私は、「民権」を重視することを理念に掲げることが重要であると考えている。

薩摩藩、長州藩、土佐藩などが江戸幕府を倒してできた明治政府は、
すぐには、国会を開設しなかった。
まず、大久保利通や山形有朋らによって、官僚組織が作られ、
その官僚組織が国を動かした。
官僚の力だけでなく、民意でも政府を動かせるようにするべきであるということで、
自由民権運動が起き、明治23年に国会は開設。
お金持ちの男性しか選挙権はなかったが、選挙も行われるようになった。
しかし、その国民の代表である国会議員から選ばれる総理大臣は、
まだまだ民意を反映して政治をすることはできなかった。
明治政府を作った薩長土肥出身の元勲(明治維新で活躍した政治家)が、
影響力を持ち、その影響下にある子分の議員に内閣を組織させた。
もっと民意を反映すべきということで、大正デモクラシーなども起きた。
しかし、その反動で、昭和の初めには、官僚軍部の力が強くなり、
昭和15年には大政翼賛会ができて、政党は事実上国会から無くなった。
その中での選挙でも、無所属で、大政翼賛会の候補と戦って、
国会にのぼった議員もいた。

官僚機構、国家機構に対して、民意を反映させようとする政党人の戦いが、
明治以降、昭和初期までの政治の歴史であった。

昭和30年、自由民主党が結成され、
そこから40年近く、自民党が政権を担うこととなった。
その40年で、自由民主党と官僚組織は一体化してしまい、
自民党は、政党でありながら、「民意」よりも「官意」を優先するようになってしまった。

この、政治に民意が反映されない、不健全な状況を是正することができないまま、
2012年冬の衆議院選挙、2013年夏の参議院選挙で、自民党が圧勝。
消費税増税、秘密保護法、集団的自衛権に関する解釈改憲と、
より「官意」を反映させる政策が次々と実行されている。

消費税増税により、民間で使うお金は、国家に吸い取られていく。
秘密保護法は、まず国家機密を扱う公務員を対象にするべきだが、
民間にも適用が拡大され、秘密の範囲も、誰が違反かも、官僚が決めることができる。
今回の集団的自衛権の解釈改憲も極めて曖昧で、
何が憲法違反なのかも、官僚が決めることができてしまう。

お金も情報も権力も、官僚機構がより自由に使えるようになるという、
数十年前の政治家が見たら悲しむようなことが、今、国会では行われている。

私が昨年までいた、みんなの党は、この流れを食い止めて、
方向を転換させる役割を担うために結成され、そういった政策も訴えてきた。
しかし、「増税の前にやるべきことがある」までは良かったが、
昨年の秘密保護法で方向転換。
「官意」に流されはじめ、私はそこで、離党をした。

議会とは、国家(行政)がしっかりと仕事をしているのかチェックをするためにある。
国家と国会が一心同体では、チェック機能は働かない。

「官意」を代表する自民党では、国家のかじ取りを誤ってしまう。
「民意」を代表する勢力は、今、国会には、ほぼないのである。

「民意」を代表する、「民権勢力」の結集を。
私は、それを今までも訴えてきたし、
離党してまでも、その精神を貫いてきたつもりだ。

今、国会議員達が安部政権に対抗する勢力を糾合するのであれば、
「民権勢力の結集」を一番に掲げてもらいたい。
落合貴之 演説

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