「求められる経済政策」の変遷

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1945年の終戦。
英国では、戦時中に国民から圧倒的な支持を受けていたチャーチルが、終戦直後の総選挙では労働党アトリーに完敗し、労働党政権が樹立された。
廃墟の中で、街に失業者があふれ、食べられない国民があふれる中、労働党内閣は、主要産業を資本家から取り上げ国有化し、国民皆保険も導入。安い公的な住宅の供給も行った。
資本家から搾取され、生活もままならなかった大多数の国民が、家族と共にふかふかのベッドで寝て、ご飯が食べられ、教育を受け、病気になった際は医療も受けられるようになった。

しかし、それから四半世紀後の1970年代になると、「英国病」と言われる経済停滞をもたらすことになる。
主要産業の国有化は、経営者を、資本家から官僚に変えただけであり、今度は、肥大化した官僚制度に問題が起き始めた。
そこで、1979年に首相に就任した保守党のサッチャーは、サッチャリズムと言われる改革を進めることとなる。
国有化した主要産業の民営化だ。
政府の役割を小さくし、市場の役割を大きくすることで、経済を効率化し、新しい産業を興して、英国経済を活性化しようとした。
この市場経済を使った改革路線は、アメリカにも波及し、資本主義国は一気に経済、金融を膨張させ、社会主義国との戦い、冷戦は、圧倒的な経済力の差で終結を迎えることとなる。

冷戦終結後、1990年代に入ると、新興国が経済的に勃興し、経済のグローバル化の中で、再び英国は危機を迎えることとなる。
そこで誕生した労働党のブレア政権は、膨張する世界市場をより利用する、グローバリズムに基づく改革を進めると共に、教育をはじめ、最低限のセーフティネットを国家が責任を持つ、かつての労働党政権の政策と保守党政権の政策のいいとこ取りを狙う「第三の道」を取った。

しかし、2010年代に入り、本格的な経済のグローバル化の中で、国民の経済的格差は拡大し、固定化。
また中東などの政情不安の中で移民や外国人労働者も増え、それに対する不満も出始めている。
「反緊縮」「反グローバリズム」の声が起き始め、英国政府はその対応に追われている。

このように見てみると、時代やそれまでの歴史によって、適切な政策は異なるということが分かる。

我が国を振り返ってみると。
戦後、英国ほどの社会主義的政策が取られることはなかった。
しかし、製造業の「傾斜生産方式」や、金融機関の「護送船団方式」など、根幹は官主導の経済政策が行われた。
国民のほぼ全員が貧しい時代、産業全体が壊れ、これからまた成長していく時代は、官主導の方が急成長を促せることが多い。
池田内閣は所得倍増計画を達成し、佐藤内閣で沖縄返還も成し遂げ、やっと戦後が終わったという雰囲気の中で、田中角栄内閣は福祉国家構想や均衡ある国土の発展を打ち出した。
その中で、我が国においても、官主導経済のほころびが見え始め、1980年代、中曽根内閣は、サッチャー政権と同じような改革路線を取る。その路線は基本的には、現在まで続いている。

これから打っていかなければならない政策。
それは、そろそろ市場の力で経済を活性化させるという路線一辺倒の姿勢を転換することだ。
日本の大企業の多くはグローバル化に対応するために生まれ変わり、ITベンチャーのいくつかも大企業へと成長した。成果もあった。
しかし、中途半端な我が国の社会保障システムは、本格的な少子高齢社会を迎え、対応できなくなりつつあり、雇用の変化の中で、社会保障が必要なのは、お年寄りだけではない時代を迎えている。
また、格差の固定化が経済の活性化を阻んでいる。
こういうセーフティネットの強化、機会の均等化は、市場原理だけでは成し遂げられず、政府はより前面に立たないといけない。

「反緊縮」「反グローバリズム」は、字面で見ると、極論に見えるかもしれない。
しかし、「政府の役割は縮小すればするほどいい」「国内隅々までグローバルスタンダードに合わせた方がいい」という行き過ぎを正し、現実的な政策を一つ一つ斬新的に打ち出していくことが、国民の生活の安定と、社会の健全化、国家の発展をもたらしていく。
今は、そういう時代状況なのだ。

なお、1,000兆円の借金を次世代に残さないためには、国の支出を減らし、かつ消費税を上げなければならないという議論がある。
しかし、おおざっぱに見ると、日本の国債はほぼ国内で消化されており、貯蓄をしている国民から国が借金をしている状況だ。
国民への借金を返すために、貧困層も含め広く国民からお金を巻き上げるというのは、理にかなっている経済政策とは思えない。

国民から預かったお金を、より有効なことに使う、使い方改革をすること。
それから、増税をするなら、なぜ消費税に限って議論をしているのか、よく考え直すべきだ。
時代が変わっているのに40年前と同じ議論をしていては、この国の将来は開けない。

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