平成から令和へ―これからどういう時代がやってくるのか

令和の時代を迎えた。
平成の世が始まった時は私は9歳だったので、昭和がどういう時代であったかの記憶はあまりない。しかし、平成元年秋のベルリンの壁崩壊、平成2年の湾岸戦争、平成3年のソ連崩壊などは鮮明に覚えている。この冷戦崩壊にまつわるニュースの数々が私を決定的に政治に興味を持たせた。
この世界の地殻変動が我が国の政治にも影響を及ぼし、平成5年、長く続いた55年体制は崩壊し、自民党は長期政権を明け渡し、細川政権が成立した。

平成の30年はどういう時代であったか。
様々な立場の方々が様々な論を述べているが、私が一言で表すとしたら、グローバル化の本格化した時代であろう。

東西を隔てていた鉄のカーテンが無くなり、世界は一気にフラット化しはじめ、グローバル化が進んだ。
グローバル化は、世界中の最適な労働者に仕事をさせ、物を安く大量に生産し、世界中にいきわたらせる。地球全体を使って商売をする巨大グローバル企業も多数現れた。
しかし、これにより仕事も賃金も世界規模での平準化が進み、賃金の高かった先進国では、これまでの仕事が奪われ、中間層の没落が始まった。
また国境が低くなったことで、先進国により多くの外国人が集まることとなり、それが外国人排斥の運動にもつながっている。
今、先進各国で広がっている、反緊縮運動、反グローバリズム運動は、この30年の世界の流れに起因している。
この影響は、近年我が国にも及び始めている。

平成がグローバル化の進んだ時代であるならば、令和はどういう時代になるだろう。
私は、情報技術ITが加速度的に進む時代となると考えている。
人工知能AIはあらゆる仕事に取り入れられ始めている。
今後AIが多くの人々の仕事に取って変わるだろう。

グローバル化が進んだ平成は、日本人が世界に触れることで、日本とは何かを考えさせた。保守化といわれる現象や、神社ブーム、歴史ブームなどもその一環であろう。
激しく波打つグローバル化の中で、国民の生活を守るための、国やコミュニティの役割、世界の中で独自の文化を維持する重要性は再認識された。

令和は、ITの力が伸張する中で、人間とは何かを改めて考える時代になるのではないか。
多くの仕事が、機械化、自動化されていく中で、人間にしかできないことは何なのか。
これを考えていくことは、これからの時代をよりよく生きる鍵になるはずだ。
機械には変われない、人間の志の強さや感情の優しさがより見直され、評価される時代になるのではないか。

平成の時代に不十分であったグローバル化の負の側面への対応をしっかりとし、これからの時代に求められる一人一人のココロのあり方を見直す。

しっかりと時代に対応すれば、よりよい時代になると思う。
是非よりよい時代にしなければならない。

富士山

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